2030年以降を見据えた医院経営(小児科編)のあり方とは?
2030年問題とは「人口の1/3が高齢者」になり、労働力人口の減少ということが一般的な考え方です。
日本の人口推移(1950~2070年)
出典:2020年までの人口は総務省「国勢調査」、合計特殊出生率は厚生労働省「人口動態統計」、2025年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(出生中位(死亡中位)推計)
では、医院経営に落とし込んだ場合はどのような課題が見えてくるでしょうか。
高齢者が増えることで相対的に医療・介護業界の人材・施設が不足すことは巷で言われています。それもありますが、2030年問題とは高齢化と同時に人口減少が顕在化すると考えられている。
つまり、一番の問題点は患者が減るということです。
原因として
・人口減少による患者減少
・コロナ禍以来の患者受診率低下が今後も継続することが考えられます。
→患者の医療機関離れ
ではどのように小児科医院経営を行っていくのか?課題を抽出していきます。
・人口減少→競合院との患者の取り合い、エリアでの採算性の低下
・患者の医療機関離れ→既存患者の減少、新規患者獲得数の低下
・少子化による確実に赤ちゃんが減る→子供も当然減る
・小児科クリニックは診療報酬が低いため、薄利多売的な経営になりがち
では課題に対してどのような方法で経営を上向かせ、安定させるか。
今からの小児科経営戦略の基本は
エリア戦略を重視した経営戦略
ポイントは開業するエリアの中でどのような診療科が求められ、どのようなサービスを欲しているのかを徹底的に調査すること。そして赤ちゃんが生まれる地域で開業が出来るかどうかです。開業地調査や物件探しは大変重要な要素となります。
診療の幅を広げること
小児科は診療報酬が低い診療科です。そして小児科診療の中で診療報酬を上げるポイントが少ないことも言えます。従って経営を安定させるには小児科以外の診療科を併設する必要があるかもしれません。例えば内科であれば老若男女が診療対象になりますのでよいかもしれません。
地域医療のネットワーク
小児科の場合産科施設との診療提携も一つの方策です。これに限らず地域医療の中での診診連携、病診連携も集客の方法といえます。
オンライン、SNSの活用
キーワードは地域の患者以外にどのくらいのエリア、どのような患者を扱うか?を丁寧に決定していくこと。またSNSでのクリニック訴求、HPの活動などネット戦略は大変必要です
医院の拡大戦略の検討
新規小児科開業、既存小児科経営者の方々両方にいえることですが、少子高齢化のあおりを食って患者が目減りしてしまう現状は深刻な問題です。また将来的に経営の採算ラインに乗れない地域に小児科を開業している場合経営努力をしても意味がありません。その場合日本国内でクリニックの移転開業、クリニックの店舗展開もしくは海外での開業が必要になると思われます。もしくは人口減少の影響を受ける前に積極的に事業を拡大することも一つの方策です。
患者が受診したいと思うクリニック作り
- 内科を含めた患者の利便性に合致した診療科の併設
- 内科全般的な診療(generalist)と専門性のある内科診療(specialist)を複合的に診療
- 診療圏の中でどのような診療科が不足しているか、どの診療科がダメなのかを徹底的に調査すること。それにより診療科を決定する
- 高齢化するから高齢者に合わせて医療をということは半分当たりで半分はずれです
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