中国の世界戦略から考察する日本医療の海外戦略の方向性を説明します。

あいかわらず、日本の病院の経営難について報道があります。いつまでも後ろ向きでかつ効果性の低い業務効率など行うことはどうでしょうか。基本的に病院は日本の人口減少レベルに則した形で病院機能のすみ分け(簡単に言えば診療内容のすみ分け)、合併・吸収などによる病院数の適正化をするしかないのです。従って大学病院も合併・吸収・倒産もあり得ます。

(医療機関の倒産が過去最多 赤字続出のワケ 地域医療は崩壊寸前 業務効率化改革も テレビ朝日モーニングショー)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/photos/900170508.html#img=img_87fe36eafabe06b41c5706af80b5284b177442

日本の医療事業の取るべき将来の方向性についてチャイナタウンを例に挙げて説明します。中国人は世界のあらゆる国にチャイナタウンを形成しています。

中国人(華僑)、中後政府のやり方は組織的です。そのやり方を簡単にご説明するとともに日本医療の海外進出にとって付け目もあることもご案内します。中国人はすごいバイタリティーで世界に販路を広げている。そしてチャイナタウンは世界中の主要な都市に数百カ所存在すると言われています。そしてアジア、北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、南アメリカなど、ほぼすべての大陸に広がっています。特に有名なチャイナタウンは北アメリカのサンフランシスコ、ニューヨーク、バンクーバー。アジアでは横浜、バンコク、シンガポール、クアラルンプール、ヨーロッパではロンドン、パリ、アムステルダム、オーストラリアではメルボルン、シドニーがあります。

チャイナタウンについて

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E8%A1%97
(チャイナタウン Wikipedia)

https://www.rakumachi.jp/news/column/368806
(隠れチャイナタウン化」する市町村トップ5、あなたの街も実は…? 広がる中国経済圏の実態)

http://www.oisii-net.co.jp/tousai/0312/0312tokusyu.html
(世界のチャイナタウン)

チャイナタウンの町の構成をみると、行ったことがある方は飲食街がかなり多いということが分かるはずです。しかしながら医療はあまりない、正確にはチャイナタウンの入口、出口付近に点在しているのみです。町の中に医療の根を張っていないことがチャイナタウンの欠点です。ここで中国の海外における医療事業戦略を考えるとわかるのですが、中国政府は海外へ進出・展開・浸食の手段として医療事業を活用していることが分かるはずです。中国側の海外進出の流れとしては外国政府と商談をして海外へ借款をする、その国に医療特区を作らせる、中国政府の支援で病院を建てる(医療人材や医療機器などの医療資材、運転資金もすべて中国から支援)、これにより海外へ簡単に中国医療事業の販路を拡大していくという戦略である。

 中国政府の海外進出の方法論は逆を言えば日本にも応用可能なはずです。つまり、中国のように海外の町の中に根を張った医療事業を行っていないということは日本の医療の海外展開は町の中に入っていく医療機関の開設スタイルを作り上げればよいのです。最初は在留邦人、在留欧米人(医療保険加入者)などを対象にしていくことになるかもしれませんが、発展途上国のGDPはどんどん上昇していきますので自然と医療費を普通に払うことが出来るようになるでしょう。このようなやり方であれば日本政府の力を借りなくても実現可能です。

そして、世界の中では医療機関へ受診することが出来る人間は裕福な人間の特権的な要素が強いです。しかし発展途上国が発展することによって国民にとって医療が身近なものになります。その経済発展の上昇ベクトルに沿って日本の医療の海外進出・海外展開をすすめれば良いということです。ただし、日本で病院・診療所の開業をした皆様ならわかると思いますが、海外での医療機関開設も日本での開業と一緒で作る上げる努力は一緒です。