今後の出生数減を睨んだ医院経営における成功ポイントとは
医院経営には少子高齢化・人口減少の中で患者を増やすということが至上命題となっています。かつ患者サービス・患者質の高い医療サービスを提供することを求められます。
成功するためには、経営戦略や患者のニーズを理解し、適切な施策を実行することが必要です。
ここでは医院経営を成功させための具体的なポイントについて3回に分けて詳しく解説をしていきます。
産婦人科開業のためのデータ考察
- 現在、5年後、10年後の採算玄関医療機関数データを考察すると今後産婦人科開業は大変厳しいものになる
- 今後産婦人科で開業する医師は開業の事業計画、収支計画、及び開業後の経営戦略が求められる
採算限界医療機関数とはその県内で採算がとれる医療機関数のことです。
採算可能施設は年間300名の分娩数で換算しています。
出生数の減少速度から検討すると採算ラインとして5院以内の場合レッドゾーンとしました。
ただし、開業時もしくは経営時過剰投資がある場合は損益分岐点が高くなりますので300名では採算が取れない可能性があります。
赤字の県は採算が取れる医療機関数を超えている、もしくは採算限界に近づいている県です。
2000年から2020年における出生数の減少率は年間平均で1.57%です。
2027,2032年の減少幅はこれに基づいています。
(出所)厚生労働省令和2年人口動態統計
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei20/index.html
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」
https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp_zenkoku2023.asp
キャノングローバル戦略研究所
https://cigs.canon/
医院経営を成功させるためのポイント
医院の経営を成功させるためのポイントについてご紹介します。
医院経営が初めての方は是非、参考にしてみてください。
資金の効率的な運用
産婦人科(特に分娩施設)は収入も支出も大きな診療科になります。
昨今の産婦人科経営では資金の効率的な運用、院内の改善・改革、集患活動の重要性
が大変重要です。
今回は資金の効率的な運用について解説します。
まず資金の効率的な運用とはどのようなことか、投資的な要素とは全く別ものです。
その前に産科施設で大きな費用となるものを順にあげると、借金、地代・建物費用(新規の場合)、医療機器費用、運転資金(とりわけ人件費)です。
借金、地代・建物費用は開業時に勝負は決まっていますのでここではご説明はしません(お時間のある方は開業編をご覧ください。
つまり、月々の運転資金ということです。
その内訳は医療機器、医療備品(医療機器、ベットなど)のリース料、人件費、その他必要資材の購入の費用などとうことです。
産科の医療機器は超音波診断装置、分娩監視装置、分娩台、内診台、手術台、麻酔器、無影灯など高額な高度精密医療機器他沢山あります。
しかし、その時に使い慣れている などの理由で指名買いをしていませんか?
相見積もりを取ることで客観的に機器の相場感などを知って買い事をお勧めします。
場合によっては医療機器によって100~200万円の差が出る場合もあります。
また、人件費も産科施設であれば月分娩数が300、400名になると、1億円に近くなる、もしくは億越えといわれています。
しかし、助産師、看護師の日勤、夜勤のローテーションが組みやすいということで常勤(正社員)を多く雇っていませんか?
正社員は日勤、夜勤の勤務体系が必要な医療機関にとっては大変使いやすいと言われていますが、退職金等が年々積み増しますので最終的に経営を圧迫します。
正社員のみでは経営は厳しくなります。基本的には粗利益に対する人件費の割合は30%、
一般的には50%以下が適正といわれていますが、40%台でおさめるのが理想的です。
このような形で日頃の経費を出来る限り抑える理由は経営施策へ資金を投入することが最大の目的です。
これまでのように開業すれば患者が来る時代は終わりました。
つまり売上は水物ですが、経費は削ればその分プラスになります。
次回は経費を節減して浮いたお金で何をするのかを解説します。
まとめ
医院経営の成功には、売上を上げること、支出を削減すること、両方のバランスを保つこと。
そして患者を呼び込むための努力も必要な時代です。
しかし、やるべきポイントをしっかり押さえてやっていけば成功することは難しいことではありません。