医院開業・医師開業・クリニック開業の手順を徹底解説
医院開業・クリニック開業を成功に導くため、押さえるべき点、開業を目指す医師の皆様にとって必須な情報を盛り込んでおります。是非ともご確認ください。
医院開業をお考えの医師の方には
- 何からやればよいのか
- 経営がうまくいくのか
- 自己資金があまりなくても開業が出来るか
など様々な悩みや疑問点があると思います。
ですが、きちんと押さえるべきこと、やるべきことをやれば開業することは怖いことではありません。
しかしながら、医院開業をすることがゴールではありません。
あくまでクリニックをやり続けることが出来ること、つまり経営を軌道に乗せることがゴールです。
ゴールを見据えた開業準備をご案内します。
一般診療所の収支・損益について
(個人及び医療法人経営、入院施設なしの場合)
- 入院設備がない医療機関全体(個人、医療法人含む)で医業収益 約145百万円で前年より数十万円ダウンしております。
- 医業費用(支払い部分)は約134百万円で前年より約20万円下がっています。
- 医院開業は他事業で開業するよりまだまだ収益が取れると言えます。
医院開業までのスケジュール
まず医院開業までのスケジュールについてご案内します。
開業をしたい医師の皆様は早くやりたいと逸る気持ちになると思います。しかしながら開業するには一定の期間が必要です。例えば一般的にクリニック開業の場合土地もしくはテナントを探し始めて12ケ月程度の時間がかかるとお考え下さい。
そして、下記の内容がお時間を遅らせる原因となることがあります。
- 土地、テナント等の選定
- 内装、建築に関する設計検討
これは必ずしも悪いことではありません。慎重に、一生懸命考えることは大切なことです。
しかしながら、だらだらと時間が経過するのもよくありません。従ってリーズナブルな開業時期を先に決めてから準備に入ると無為に時間を費やすこともありませんのでご検討ください。
また、ここにはありませんが、有床診療所をご検討の医師の皆様には行政への病床の許可が必要になりますので別途ご相談ください。なぜかと申しますと病床の許可は毎年4月に許可がおりますので、前年から準備をいたしませんと開業は出来ません。これについては無床診療所のタイムスケジュールとは違いますのでご注意ください。
医院開業の時期については、健診を行う場合4月から11月頃までの繁忙期にかかるように開業をすることをお勧めします。また、他の診療科でも風邪がはやる時期は内科が良いとか、花粉症の時期には耳鼻咽喉科、眼科が良いなどと言いますが、それにとらわれすぎて開業が遅れたりする方がデメリットですのでうまく時期にかかればよしというくらいに思っていただいた方が良いと思います。
開業の前半でやるべき内容は下記です。
- 事業計画策定
- 開業地選定
- 資金調達
1. 経営計画及び事業計画をきっちり立てる
経営計画は大まかな開業の方向性や内容のプランニングを示した計画です。事業計画は立てたプランの内容を医院の売上、開業費用を想定して現実の計画に落とし込んだ計画のことを言います。人によっては経営計画が先で事業計画をその後にと書いてあるものもありますが、基本的に経営計画の中で大きなプランを作成したら事業計画もある程度作成が出来ます。つまり土地、建物、テナントなどを契約する前にある程度使えるお金がいくらか知っておくことは大変重要なことです。従いまして経営計画と事業計画を同時期に作成して金銭的な事業の全体像も把握することが成功のポイントです。経営計画を立てるということははどのような経営をするのかを決めることです。そしてまず医師の皆様が決めることは患者様へどのような診療を行うのか(=売上)を決めることです。そして診療科により性別、年齢層などターゲットとする患者層が違います。従いまして医院開業をお考えの医師の皆様がまずすべきことは
①経営方針:診療内容、目標患者数を決定すること。
これによりどのような診療をすることでどのくらいの患者を診療し、どのくらいの売上規模を目標にするということが決まることになります。これが医院開業の準備のスタートです。
②経営方針が現実的な内容か精査すること。
①で決めた経営方針が現実的なものであれば良いのですが突拍子もないものであれば計画は絵に描いた餅となります。計画内容が現実的なものかどうか精査した上で現実的でなければ現実的な内容へ修正を加えることも必要です。
③目的意識を持つこと。
月並みな言い方ですが、人間目的意識がないと頑張り続けることは難しいです。「地域医療に貢献したい」、「患者様のために自分のスキルを活かしたい」など高尚な理由から、「医局の中で人間関係が面倒で医院開業したい」、「お金を稼ぎたい」、「クリニックを全国展開したい」でも理由は人それぞれです。要はご自身が1番モチベーションの上がる目的を意識すれば良いということです。
開業地選定
次に準備すべきことは 開業地選定 です。 これは成功のための大きなポイントです。集患出来るかどうかに大きくかかわる内容ですので開業地を決める上でプロセスと大切なポイントを下記の通りご説明します。
1.開業エリア決定
医師の皆様の開業地選びのご希望内容は様々だと思います。
例えば「実家に戻る」、「勤務している病院の近く」、「お住まいの近く」などご希望は様々あると思います。しかし医師の皆様が希望する場所が必ずしも適した土地とは限りません。従いまして最初は複数の候補エリアを検討した上で医院の開業地探しに臨まれることをお勧めします。開業地ごとに調査をして採算がとれる土地かどうかを精査して決定することがベターです。
2.開業予算を確認する
物件を選ぶ前に予算をどのくらいにするか必ず確認してください。
それにより自ずと物件内容が決まってくる場合があります。なぜなら内科開業の場合総予算5,000万円で土地を買って建物を建てることはかなり難しいと思います。(大変な僻地のようなところなら別ですが)従いましてまずご自身の医院開業予算をどのくらいで考えているのかを確認してください。
3.開業物件の内容を決める
総予算において賃料もしくは土地代で使える金額を把握出来たらテナントで医院開業するのか、戸建てか、医療モールにするのか、土地を買って建物を建てるのか、継承物件にするのか、決めることになります。
物件により一長一短があります。しかしながら都心部では良いテナントにすでに入居者がいて良いテナントがない場合もあります。また、医療モールの場合施工費用の一部が賃料に上乗せしているところもありますので確認することが重要です。医院開業までのスピードは当然ながらテナントが早いです。継承物件はコストは安いですが、配管が傷んでいたり、継承条件は中々折り合わなかったり、そもそもそのエリアに継承物件がない場合もありますので成功率はあまり高くありません。継承物件は専門家に依頼する方が良いかもしれません。
4.実際に開業地を調査する
調査する方法は大きく3つです。
まず、不動産会社へ問い合わせをしてみる。その場合大手不動産会社よりも地元密着の中小ふぉう動産会社の方が情報を持っている場合がありますので注意が必要です。
次に、ご自身で地域を回って探す。これは結構大変です。お時間がある方はこの方法もあります。3つ目は医師開業支援会社などに依頼する。
5.候補物件を医院開業に適しているか調査する
①エリアの人口、年齢層など土地の基本情報を確認する
開業地周辺の人口が多いか少ないかは、来院患者数に直結する重要な問題です。
人口減少時代の医院開業では当初のエリア人口、年齢層などを診療内容によって求める患者層がありますので加味しながら開業地の良し悪しを判断してください。
ただし、これだけでは不十分です。
②将来人口を把握する
人口減少社会となった日本ではクリニックの開業事情も変わってきています。10、20年後の人口推移も確認することが必要となります。つまり5年後は採算がとれる市場でも10年経過した時には医院経営が厳しい市場になっている場合があります。また、毎年医大の定員数分医師が増えるわけですので当然次々に競争相手が出現するかもしれせん。
③競合他院の状況を把握する
人口規模がある場合でも競合院が多ければ医院開業に適さないということもよくあります。競合院の数だけではなく、競合院がどのような診療をしているか、患者数がどのくらいか、自費診療の場合の価格はいくらか、など様々な情報を調査することが必要です。
④地域情報を調査する
医院開業地を決める時に、具体的に候補地が出てきた場合人口等の基礎情報だけではく実際現地に行って周辺を確認する必要があります。例えば大きな量販店があるとか、駅前、学校が近いなどなど人が集まりやすいロケーションを選ぶと地域住民の認知度が上がりやすいなどポイントがあります。また、内科の場合成功する確率は住宅の戸数を確認する場合もあります。
医院開業・クリニック開業における資金調達
経営計画で診療方針の方向性、大まかな事業計画を作成し、開業地の選定と平行して行うことが資金調達です。事業計画で実際に使う大まかな費用を把握した後は候補地の費用を確認し、事業計画を細部まで作りこみ、事業計画を完成します。
そして実際に資金調達へ進んでいきます。
そこで資金調達をする上で押さえるべきポイントについてご案内します。
①どのくらいの開業資金が必要か
②どのような金融機関で資金調達をするか
③事業計画書作成について
①どのくらいの開業資金が必要か
□医院開業場所の形態について
土地を買う、借りる・テナント(店舗)・医療モール・継承物件などがあります。その中で土地を買えば開業費用は増大します。テナントが一番ローコストです。
□設計施工について
建物を建てると建築費用が増大します。内装は建築するよりお安くなります。
施工費用は近年の物価高などの影響で費用は高くなっておりますが、安易に施工費用の高いところにいかないようお気を付けください。
□医療機器費用
医院開業当初はリース契約を締結して医療機器を使いになられる医師の皆様が一般的ですが、これも費用を使いすぎると月々のリース費用の返済が大変になりますので慎重にご検討ください。つまりリースは開業当初のイニシャルコストを下げる効果はありますが、金利分多く支払ってリースを受けているわけですから結果的に割高です。
□開業資金プランの一例(都心の場合)
実質的に5,530円くらい(医療機器リース分は入っておりません)でクリニック開業が出来ることになります。しかしながら自己資金も多少用意して開業される方が多いようです。また費用は油断すると簡単にオーバーしてしまうのでご注意ください。
□開業費用と資金調達
~「500万円未満」で開業する割合は1991年度の調査開始以来最高~
- 開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が43.7%と最も高く、次いで「500万~1,000万円未満」が27.3%を占める(図-13)。「500万円未満」の割合は、調査開始以来、最も高くなった。
- 開業費用の平均値は989万円と調査開始以来、最も少なくなった。
~金融機関等からの借入と自己資金が主な資金調達先~
- 開業時の資金調達額は平均で1,194万円であった(図-14)。調査開始以来、最も少なくなった。
- 資金の調達先は、「金融機関等からの借入」が平均825万円(平均調達額に占める割合は69.1%)、「自己資金」が平均266万円(同22.2%)であり、両者で全体の91.3%を占める。
参考データ:2020年度新規開業実態調査(日本政策金融公庫 総合研究所)
②どのような金融機関で医院開業の資金調達をするか
- 政府系金融機関:日本政策金融公庫、福祉医療機構(wam)など
- 民間金融機関:メガバンク、地方銀行
- リース会社:金銭を貸付するところとリースのみのところがありますのでチェックが必要です。
資金調達には用意する書類が様々に必要となります。まずは事業計画(詳細な費用を落とし込んだもの)と確定申告書(or源泉徴収)が必要です。その内容を金融機関に納得させなければ融資がおりません。
③事業計画書作成について
事業計画書とは、前回ご説明しました通り売上予測、費用を割り出し、医院開業後5年間の収支見込の計画をまとめたものです。金融機関が融資の可否を判断する基本です。事業計画の中で必要なの4つの要素についてご説明します。
1.開業費用の詳細
土地、建物、内装、テナント敷金、医療機器、広告宣伝費、家具什器、運転資金など医院開業準備の段階でどれだけの費用を使うのか、その詳細です。
2.売上予測
どのような診療をしてどのくらいの売上を上げるのかの詳細です。
3.資金調達の詳細
自己資金または借入金、リースなど、どのように資金を調達するのか、詳細です。
4.医院開業後の収支計画の妥当性の詳細
金融機関は事業計画の中の、売上予測と支出見込みの妥当性を検証して融資の可否を判断しています。下記でご説明します。
医院開業後の売上予測とは下記計算式で割り出せます。
患者1人あたりの診療単価×1日の来院患者数(及びその根拠)×診療日数
ただし、診療単価は診療科によって変動します。また、1日の来院数は医院開業するエリアの人口、ターゲット年齢層、競合他院数などの要素によって算出します。
ただし、自費診療が入ってくると算出方法が変わります。ただし自費診療も収入としてはメリットがありますのでおろそかには出来ません。
医院開業後の支出見込みとは医業原価、人件費、リース料(医療機器購入費)、生活費などです。
金融機関が融資を検討する際にチェックするポイントは2つです。
- 売上予測が妥当か
- 支出計画が身の丈にあったものか
開業の融資における過去の失敗例
過剰投資編
- 40坪くらいしか必要ない診療科で300坪の土地に100坪の建物を建てる
- 通常の一般診療であるにもかかわらず、煌びやかな内装を施して内装費として3,000万円で済むものが6,000万円かかった。
- 消化器内科の医院開業で医療機器は当面上部下部内視鏡システムでよいはずが、マンモグラフィ、CTなどフルスペックで揃える。
- 生活費がやたらとかかる
開業=商売ですので、支出が多ければ借金で首が回らなくなることもあります。そのような事業計画には金融機関は融資を断るか、もしくは再検討となります。
上記のような過剰投資は融資の審査で指摘を受けることが多いですので慎重にご検討ください。
事業計画編
- 勤務医師・看護スタッフが確保できてない。
- 診療内容よりも予測売上があきらかに大きすぎる(売上水増し)
- 実際の支出よりも明らかに低すぎる(人件費など)
事業計画は指標となりますのでいい加減に作成すると融資が下りません。
そして、事業計画書を医師本人で作成することはの大変な作業です。開業を多く手がけている税理士を探して相談するか、医院開業コンサルタントにお願いするのが現実的にはおすすめの方法といえるでしょう。
その他医院開業・クリニック開業準備において成功のポイント
①設計施工(建築、内装)
医院の開業地が決まったら、テナントなら内装、土地なら建物の工事が必要となります。
基本的にデザインや色目などは院長の診療方針・好みで決まりますが、ターゲットとなる患者さん層の好みを加味しながら決めることが大切です。
そして医院開業の設計施工会社を決める上で注意するポイントをご案内します。
- 設計と施工会社を分けて採用するか、それとも設計と施工を同一の会社にするか 設計が別であれば施工とは別に費用がかかります。また気に入った設計会社を採用すれば理想を求める分コストが下になりがちです。
- 設計と施工の相場を知ることです。医院を開業する際、相場を知らずにこんなものかと建築契約、設計契約をしてしまうことがよくあるようです
- 理想が高すぎると費用が上がりすぎることがある。あれも欲しいこれも欲しいとなるとコストは上がります。ですから事業計画の建築内装費用を目安に建築内装内容を決めていくと大幅なコスト高は抑えられます。
②医療機器決定
医療機器はクリニックを運営する上で何かしら必ず使用するものです。
医療機器を選定する上での注意点をお伝えします。
どのような検査をどのくらいやるのか、診療報酬高も加味して機器の内容を決めること
必ず必要な検査とそうでもない検査を選別すること。そしてその場合事業計画の医療機器購入予算も確認してください。よくあることはあの検査、この検査と色々な検査に手を出すことで購入する医療機器がどんどん増えてしまい、実際、医院開業後には検査機器の稼働率が悪く、機器費用を回収出来ないことです。
医療機器は複数社から検討すること。
医療機器はメーカーから直売りはしません。必ず医療機器販売会社を通します。そして見積もりは1社からしか出せません。つまり同じ機器の見積もりを比べることが出来ません。
従って複数のメーカーから様々な医療機器の見積もりを取って相場を知ることも大切です。
③税理士(士業)採用
税理士、社会保険労務士などの士業を採用することはクリニック経営にとっては欠かせないことです。可能であれば医院・クリニックの税理顧問の経験のある税理士がよいでしょう。そして税金対策上も税理士は必要になってきます。
また社会保険労務士についても正社員など従業員が増えるとともに必要になってきますので検討が必要になります。
④スタッフ採用
スタッフ採用の中で1番気を使うのは看護師採用です。看護師が興味を持つポイントは自宅から距離、勤務内容(外来か救急かなど)、給与、社会保険、採用形態(正社員or非常勤)、勤務形態(日勤のみか夜勤があるかなど)などが一般的です。また医院開業当初はオープニングということで興味を持つ看護師もいます。その場合ご自身が行う診療内容を加味して給与水準を把握し募集をかけることが大切です。そして一般的なクリニックであればまず1名柱になる看護師を見つけることが出来れば勤務ローテーションも安定することが出来ますのでお気を付けください。
⑤保険関連
医師の皆様は保険といえば生命保険、自賠責保険、医師賠償保険などを連想されるでしょう。
しかしながら医院開業を行う場合リスクヘッジをするための保険もあります。例えば借入をする際に加入をすすめられる保険、病院で業務が出来なくなった場合の所得補償保険など経営をする際はリスクマネジメントをするための様々な保険がありますので確認することも大事なことです。
⑥集患対応
少子高齢化、人口減少社会の昨今、集患活動は大変重要です。
これまでは ホームページやfacebook等のインターネット対策、口コミを増やすといったものであると思います。ただし、医療広告は倫理規定、ガイドラインがありますのでこれに抵触しないような対応も必要になります。そして人口減少社会の時代にはそれだけでは不十分です。インターネット広告も今では多岐にわたっていますので医院開業でもきちんと広告のバリエーションを確認して適切な対策を打つことが必要です。
また、口コミというふわっとした内容では集患までに相当な時間を要します。今後の開業に関しては積極的に外部へ情報発信し、集患を図ることが重要です。まずはクリニック開業時に際してはオープンハウス、新聞折込、早めのホームページアップによる情報発信がベースになると思います。しかし集患は多岐にわたりますのでこれだけでは医院開業後の集患には不十分といえるでしょう。
⑦医院開業に関する手続きについて
医院開業にあたっては、開業後に提出する開設届と保険医療機関指定申請です。書類を出す場合提出時に必要な書類がありますので必ず行政機関へ事前確認をしてください。
・医院開業は行政機関へ必ず事前相談をすること
届出は各地域を管轄する出先機関へ提出します。行政機関の中で厳しいところもあれば理解を示すところもあります。つまりは場所が変われば担当者の対応が異なることでトラブルが起こることもあります。届出を出す際には、必ずその地域を管轄する行政機関で事前相談を行うようにしましょう。
・医院開業前に保健所に事前相談へ行くこと
場所が決まったら必ず事前に保健所に相談に行ってください。簡単にどこどこで何月くらいに医院開業を予定してます で良いです。その時に医院開業前の注意点など事前に確認しておけば安心です。建築物、内装など完成した後にクレームがつくと取り返しがききません。
医院開業後で起こりうること
①患者様が増えるまで何をするか
事業計画書通りに医院開業をしても当初は患者数が増えず、運転資金が減っていくのは精神的に非常につらいものです。その時の対処法として
休診日にアルバイトをやってみる。
患者が少ない状態で何もしないでいると悪いことばかり考えるのも人間です。このような時は頭を切りかえてアルバイトをしてみるのも一つの考えでしょう。
集患対策を行う
前述しました通り開業後に行う集患対策は医院開業当初と違います。クリニックの認知度を上げるためインターネット対策以上に属人的な活動が必要になります。その方法論は様々です。
②従業員の安定性
- 医院開業の当初は様々な勤務条件などで不満を持つ従業員もいると思います。その場合改善可能なことは改善すべきです。またよく話し合いをすることも必要ですし、難しい場合社会保険労務士に相談することも一つの方法です。どうしても折り合えない場合きちんと退職できるように配慮することも大事でしょう。
- クリニックor医院の場合看護師は女性だけの場合が多いです。その中で意見の相違や人間関係などトラブルが起こることもあります。また間に入って仲裁をすることも起こりうることです。日ごろからよく話を聞いて、いつでも看護師が相談できる環境を作っておくことが必要です。
③資金が不足した場合
- 患者様が増えず運転資金が不足することも考えられます。その場合専門家と相談することが大切です。このような場合は早めに対処して金融機関等に借り入れの段取りを取ってください。このような事態を招かないよう、ローコストでの医院開業を目指すこと、過剰投資を避けることを心がけるべきです。
医院開業・クリニック開業の支援会社
これまで医院開業の準備についてご説明をしました。
準備の内容は多岐にわたりますので準備が大変だなと思われた医師の皆様も多くいらっしゃると思います。
医院開業の準備を支援する会社は様々あります。
医療機器卸会社、製薬卸会社系
実際よく耳にする会社があると思います。このような会社は無料で支援をしてくれます。
ただし、専門スタッフがいるかどうか確認することと内科以外の診療科の支援が難しい場合があるようです。
リース会社系
金融機関の中ではリース会社が開業支援をすることも時折耳にします。ただし、医療機器、設計施工会社など入札などを行うと難点があるかもしれません。リース会社もその会社が融資している診療科に関しては状況がつかめていますがその他の診療科で医院開業をする場合支援が出来るか確認したほうが良いでしょう。
開業支援コンサルティング会社
開業支援を行う会社は業務全般に精通していると言われています。ただし、診療科によって出来ない支援も出来ない会社もあるようです。問い合わせをする場合医師の皆様が行いたい診療の内容を伝えた上で医院開業の支援が可能かどうかはよく確認することが大事でしょう。